「『理性の腐蝕』を読んで、ロザリンドの呪い」

 

 

はじめに、適応とは適者生存と社会学では読み替えられます。同書の内容の[拮抗する万能薬]の章では、自然哲学の発展を扱っています。

1952年の放射線生物学の女性科学者である、ロザリンド・フランクリンDNA結晶構造解析で有名です。DNA結晶構造解析はX線の回析写真によってなされ、その構造が二重らせん構造であることを明らかにした証拠であります。彼女は大量の放射線を浴びた後遺症で亡くなっています。(Wikipedia調べ) 彼女は死後評価され、科学者としては適応に値する人物だと考えられています。放射線による突然変異は進化力であり、彼女はその進化力の犠牲に科学者として輝く地位を手に入れました。

また、ハーディ・ワインベルグの法則によれば、進化の起きない大原則は遺伝子流動がないこと、個体群の個体数が十分であること、突然変異が起きないこと、個体間に優位な差が認められないこと、個体間に著しい性的二型の発達が認められないことが挙げられます。日本においてはこの条件を満たす個体群はあるのか定かではありません。さらに言葉を換えれば、体制の急激な変化は現代ではあまり見られていないので、遺伝子流動が無いこと、は守られているのでは内でしょうか。遺伝子流動は体制の急激な変化をもたらします。

 ところ変わって、日本では神道という宗教があります。その儀礼には七五三、初詣、etcとさまざまですが、主に決まり切った祭殿と祝詞が可能性を狭めており、仏神習合神社もあります。問題はその言語的な語感が日本語に由来しているかどうかです。日本語は外来語のオンパレードで、神社もその影響を受けることでしょう。その根拠は人の出入り無くして、神社無しだからです。神社の祝詞の語感はどこかの時点で長い歳月と共に移り変わっていったことでしょう。ちょうど現在、韓流ブームですので、韓国語式の発音に切り替わっているかもしれません。

 終わりに、神道は言語の語感の変化という意味では可能性の示唆であり、ロザリンド・フランクリン証拠写真DNAの構造であります。すなわち、示唆される対象は常に体制の変化であり、明白な事実は動かぬ物的証拠であります。進化力は示唆される対象であり、ロザリンド・フランクリンの功績をたたえる賛辞こそが動かぬ証拠であります。最後に、この書籍では自然哲学を扱う章に呪いの言葉が込められています。慎重に読み進めていくと、弁証法こそが、構造主義を決定づけたと書いてあります。